素粒子物理学博士のメモ

式変形や誤植等を解説

読書メモ1: ウォール街の物理学者

ウォール街の物理学者 (ハヤカワ・ノンフィクション) [ ジェイムズ・オーウェン・ウェザーオール ]

 

2019/11/16 読了

数学者や物理学者がウォール街で活躍する本はいくつかあうるが、この本が最も新しかったので読んだ。ゲージ理論を導入する話は面白そう。

  1. 数学者James SimonsはJames Axとともに、ヘッジファンドルネサンステクノロジーズ」を設立、数学や物理学の博士を雇っている。年平均40%の利益。youtubeに動画あり
  2. 1900年頃 ルイ・バシェリエが金融に数学を導入、株価が正規分布になると仮定
  3. サミュエルソン、オズボーンらが、株価でなく収益率が正規分布になると仮定、ランダムウォーク理論
  4. マンデルブロが、正規分布よりももっとランダム性の高い分布を指摘
  5. ブラック・ショールズの理論等は数学的に簡単な正規分布を仮定、しかしモデルには限界があり、金融危機で大きな損失発生
  6. Didier Sornetteやプレディクション・カンパニーは、正規分布でなく、新たな方法で暴落を予測
  7. Sornette, Weinstein, Lee Smolin 等、金融にゲージ理論を導入。Arxivで論文読める